ご案内

がん研究会・がん研究所・がんエピゲノムプロジェクト(研究室)のご案内

1. ご紹介
 がん研・がんエピゲノムプロジェクトは平成29年4月に発足した新しい研究室です。がん化の過程で生じるエピゲノム変化の全貌とその詳細な分子機構の解明を通じて、がん診療に貢献しうる知見を見出すことを目標としています。あらゆる手法を駆使して、がんに生じているゲノム・エピゲノム変化を総体的・俯瞰的に捉え、その普遍性と脆弱性を理解し、それを実臨床に活かすための方法を模索していきます。

2. 研究内容
【目標、方向性】
当研究室では以下の項目を目標とし、研究を進めていきたいと考えています。
 1) がんの発生や進展の過程で生じるエピゲノム変化の意義と分子メカニズムの解明
 2) 臨床的に重要な意味を持つがん検体のエピゲノム解析の実施、それによる病態の解明
○上記いずれにおいてもsingle cell レベルでのエピゲノム解析が有用と考え、まずはそのための基盤技術の確立と安定した運用を目指します。
○最終的には実臨床へ応用すること(Precision Medicineへの応用、治療標的の同定、新規治療ストラテジーの構築など)を目標とします。

【コンセプト】
 NGSを駆使した網羅的な解析・分子プロファイリング、分子生物学的/細胞生物学的手法を用いた機能的スクリーニングや機能解析、それらを支えるバイオインフォマティクス、そして臨床のエキスパートが重要と考える疑問や課題と貴重な臨床情報や検体、これらが有機的に結びつき真に臨床に還元できるような研究を行うことを目指します。実験生物学者、バイオインフォマティシャン、臨床医など、各分野のプロフェッショナルが集まり、議論し協力しあいながら、がんエピゲノムを一つのキーワードとして同じ目標に向かって研究を進めていく、がん研にそのような場を作ることができればと考えています。

【背景】
 ヒトの体は約60兆個の細胞から構成され、各細胞が持つゲノムDNAは同一であるにも関わらず、そこからどの遺伝子をどのタイミングで発現させるかについては細胞の種類や状態、空間的配置、時間軸に応じて厳密に制御されており、それが個々の細胞に固有の形態や機能をもたらします。この遺伝子発現はどのようにしてかくも緻密に制御されているのか、またゲノム上の塩基配列のどこにそのような機能が内在しているのか、これらは科学者にとって非常に魅力的な問題であり神秘的でさえあります。この緻密な遺伝子発現制御においてゲノム上の目印となるのがエピジェネティクスであり、その全体像をエピゲノムといいます。エピジェネティクスは遺伝子発現制御の根幹をなし、発生・分化・増殖・老化など細胞の生命現象のあらゆるプロセスに中心的な役割を果たしています。さらに重要なことは、がんをはじめとする各種疾患においてこの制御機構に異常や破綻が生じている、ということです。がんにおけるその異常は表現型や悪性度の規定、薬剤抵抗性の獲得などに深く関わっており、その作用機構の解明は新たな治療戦略を見出す手がかりとなり得ます。がんにおけるエピゲノム異常の全貌や真の機能的・病的意義についてはまだまだ不明な点が多く、その真相を徹底的に追究していくことにより、がん治療のブレークスルーを見出すことができると信じて研究を行っています。

3. 論文・業績・経歴等
 詳細はresearchmapをご参照ください。

4. 連絡先
 *がん研究会の基本理念は「研究の全ては研究者のためのものではなく、患者さんのためのものである」です。「一人でも多くのがん患者さんを救うこと」それが、私が研究を続ける唯一にして最大の理由です。その手段が「がんエピゲノム」であると思っています。
この理念に共感し一緒に挑戦して下さる仲間を募集しています。分子生物学者、バイオインフォマティシャン、臨床医の方など、ぜひお気軽にご連絡下さい!
 *現在、特任研究員を募集しておりますので、ご興味のある方は直接お問い合わせ下さい。大学院生、研究生、共同研究を希望される方もぜひご連絡ください。

丸山玲緒 (プロジェクトリーダー)
〒135-8550 東京都江東区有明3-8-31
Tel:03-3520-0111 (内線 5262)
reo.maruyama 'at' jfcr.or.jp ('at'を@に変えてください)
がん研公式ページ

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